湾のほとりは灰色のコンクリートで敷き詰められていました。
木陰を失った地面に真昼の太陽がギラギラと降り注ぎ、
空気は熱せられたまま漂って、しつこくまとわりつくようでした。
そして灼熱のコンクリートの上には、
若いお母さんも赤ちゃんも、
道路工事の若者も、家族連れも、
もう、誰もいませんでした。
珊瑚の海は、同じようにそこにありました。
そして湾の前には、山々が同じようにそびえていました。
けれど海がめには、全てが乾いたコンクリートの色に見えました。
…全てが、元の色を失っていました。