それから海がめは、イリイリの木が見送ってくれた
旅立ちの朝のことも思い出しました。
…あれは、美しい朝でした。


晴れ渡った朝の空はコバルト色に透き通り、
雲はまっさらな白でした。
その雲が越えていく対岸の山々は濡れたような緑色、
山すそが浸る珊瑚の海はサファイア色で、
白い珊瑚の浜から海面に突き出る火山岩は、豊かな黒。


そしてほとりに佇むイリイリの木は、
エメラルド色の葉を抱えていました。
どの葉にも朝露が輝き、きらめき踊りながら零れ落ち、
湾を渡るそよ風まで、エメラルド色に染めていました。




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