…どれほどそうしていたでしょう。 悲しみも怒りも、もう、なにも感じられませんでした。 とにかく、海がめはヘトヘトでした。 波に揺られながらぼんやりと遠くを見てみれば、 水平線のあたりでは海と空の境目も、 ぼんやりとにじんでいました。 海がめはようやく自分がひどく疲れていることに気がついて、 深く息をつきました。 血のにじむヒレ、ひび割れた甲羅。 海がめは、自分がずいぶん傷ついていたことにも、 ようやく気がつきました。
次へ 戻る